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About connecting the dots.

statistics/machine learning adversaria.

データビジネス・分析・開発に関して2014年に読んだ本

年末なのでぼちぼち今年の振り返りをします.ちなみに去年のはこちら.

データブジネス,データ分析,ソフトウェア開発の3カテゴリに分けて,それぞれについて上から読んでよかった順に並んでいます.

データビジネス

"超"分析の教科書

“超

“超"分析の教科書 (日経BPムック)

事例集として,非常によくまとまっていました.幅広い業種で典型的に使われるような手法とか問題とかがコンパクトにまとまっていて,実務でデータ分析をしている人ならみておいて損はないのではないでしょうか.内容は割と平易に書かれているので,データ分析専業じゃない人が読んでも割と読みやすく面白いと思います.

アルゴリズムが世界を支配する

アルゴリズムが世界を支配する (角川EPUB選書)

アルゴリズムが世界を支配する (角川EPUB選書)

コンピュータ・アルゴリズムがどういう場面で使われて,それが世の中をどう変化させているのかを,具体的な事例とともに語っている本で,単純にとても面白いです.金融業のアルゴリズムトレードの話がメインではありますが,それ以外にも政府系の機関や医療での使われ方が書かれていて,なるほどーという感じです.もっとフラッシュトレード寄りになったらマイケル・ルイスのフラッシュ・ボーイズなんかがありますね*1
フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち

フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち

夜の経済学

夜の経済学

夜の経済学

社会調査手法を使って,風俗・水商売の業界を探っている本です.扱っているネタはキワモノですが,手法や中身は非常にまともだし,考察も示唆に富んでいてとても面白いです.社会の裏側とかが好きなタイプの人は楽しめる本かと思います.

サイレント・ニーズ

サイレント・ニーズ――ありふれた日常に潜む巨大なビジネスチャンスを探る

サイレント・ニーズ――ありふれた日常に潜む巨大なビジネスチャンスを探る

きちんとした定性的な調査に基づいたサービスデザインを考える際に,非常に参考になる本だと思います.具体的な事例ベースのところが面白いですね.

快感回路

快感回路---なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか (河出文庫)

快感回路---なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか (河出文庫)

学術書を一般向けに書き改めたタイプの本で,まだ結構硬い感じが残っています.それさえ苦にしなければ,非常にエキサイティングな中身の本です.「ハマる」とはどういうことか,何をすれば脳が快感を感じるのか,というのを(キワモノではない)脳科学の研究成果と合わせて論じていて,サービス設計にどう活かすかというのを考えるのの一助になるかなーと思ったりします.

振り込め犯罪結社

振り込め犯罪結社 200億円詐欺市場に生きる人々

振り込め犯罪結社 200億円詐欺市場に生きる人々

なんで人は振り込め詐欺にかかるのか,また詐欺を実行している人たちの組織はどうやって回っているのか,という点について非常に具体的にまとめられていて,組織をまとめるという意味で非常に参考になります.普通に考えて,犯罪組織をまとめるのって,普通の組織をまとめるのよりも数段大変だと思うんですよね.その意味でも彼らのやり方というのはとても勉強になるわけです.

インタフェースデザインの心理学

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針

基本的なUI/UXのセオリーを学ぶという意味で,とても良い本だと思います.

ビジネスモデルの教科書

ビジネスモデルを類型化してまとめた本.カタログ的な意味で理解のフレームワークとして使うのが良いかなと思います.

A/B Testing: The Most Powerful Way to Turn Clicks Into Customers

A/B Testing: The Most Powerful Way to Turn Clicks Into Customers

A/B Testing: The Most Powerful Way to Turn Clicks Into Customers

ABテストについてまとめられた本って,実は少ないんですよね.英語なのがアレですがこの本は割とよくまとまっている印象.

最強のWebコミュニケーション・シナリオ

最強のWEBコミュニケーションシナリオ

最強のWEBコミュニケーションシナリオ

ペルソナ周りを調べるときに参考した本です.ペルソナについてちゃんと扱っている本ってあんまりなくて,探すのに苦労しました.

Lean UX

Lean UX ―リーン思考によるユーザエクスペリエンス・デザイン (THE LEAN SERIES)

Lean UX ―リーン思考によるユーザエクスペリエンス・デザイン (THE LEAN SERIES)

どうやってUXを改善していくかというお話.

モバイルフロンティア

モバイルフロンティア よりよいモバイルUXを生み出すためのデザインガイド

モバイルフロンティア よりよいモバイルUXを生み出すためのデザインガイド

モバイルUXについて書かれた本ですが,なんかピンボケしててあんまり頭に入らなかった...

「ヒットする」「タッチパネル」「レベルアップ」のゲームデザイン

「ヒットする」のゲームデザイン ―ユーザーモデルによるマーケット主導型デザイン

「ヒットする」のゲームデザイン ―ユーザーモデルによるマーケット主導型デザイン

「タッチパネル」のゲームデザイン ―アプリやゲームをおもしろくするテクニック

「タッチパネル」のゲームデザイン ―アプリやゲームをおもしろくするテクニック

「レベルアップ」のゲームデザイン ―実戦で使えるゲーム作りのテクニック

「レベルアップ」のゲームデザイン ―実戦で使えるゲーム作りのテクニック

ゲームデザイン本3冊ですが,全体的にピンと来なかった印象...

データ分析

入門リスク分析

入門リスク分析―基礎から実践

入門リスク分析―基礎から実践

統計の一つの役割というのは,信頼区間や予測区間を出すことによって,取ろうとしている施策がどれくらいのリスクを持つか,というのを定量的に明らかにすることにあると思います.実務だと,割と仮説検定して有意水準を下回っていればOKみたいな感じで道具として使われがちですが,単に検定するだけではなく,分布をちゃんと可視化してリスクを定量化する,ということの意味はもっと認識されて良いと思います.

その一方でそうしたリスク分析に関する本は非常に少なくて,本書は非常にわかりやすく,かつ丁寧にまとめられていてとても良いです.本の中頃には,主要な確率分布のまとめもあって,地味にこれがリファレンス的に結構便利だったりします.惜しむらくは,値段が高いのと,すでに廃刊になっていて中古でしか手に入らない点です... と思ってたらいつの間にかKindle版が出てますね.とはいえ¥14,910ととってもお高いですが...

予測にいかす統計モデリングの基本

予測にいかす統計モデリングの基本―ベイズ統計入門から応用まで (KS理工学専門書)

予測にいかす統計モデリングの基本―ベイズ統計入門から応用まで (KS理工学専門書)

状態空間モデル〜パーティクルフィルタあたりの入門書として,非常にわかりやすく良い本だと思います.ただ例のごとく,高校卒業程度の数学力があればいいとか書いておきながら,普通に数式展開ガチガチなので,そういうのが嫌いな人には辛いです.逆にそのあたりが追える人であれば,本当に理解しやすい良書です.

応用のための確率論入門

応用のための 確率論入門

応用のための 確率論入門

確率論,測度論,ルベーグ積分の周りについてとても丁寧にまとめられていて,わかりやすいです.このあたりをわかりやすく説明している本はとても少ないので,貴重です.測度論周りは,大概ガチの専門書になっていて,実務サイドで統計を扱っている人が理解できる範疇のものがほとんどないのですね...

数学は言葉

数学は言葉―math stories

数学は言葉―math stories

数式や数学記号も,広い意味では人に意味を伝えるための言語と捉えることができます.ただ扱う範囲が限定されていて,かつ厳密性が求められるというだけの話です.それを中学生でも十分に理解できる形で書いていて,本当にわかりやすいです.この本を読めばε-δ論法もバッチリ理解できます.

これなら分かる最適化数学

これなら分かる最適化数学―基礎原理から計算手法まで

これなら分かる最適化数学―基礎原理から計算手法まで

細かい言葉の使い方や数式展開をすぐ忘れちゃうんで,この本を定期的に読み直すんですが,本当にわかりやすいです.

プログラマのための線形代数

プログラミングのための線形代数

プログラミングのための線形代数

線形代数アルゴリズムを,実際にプログラムに落とし込んでいるので理解しやすくなっています.文章自体もわかりやすく加工という意図が見て取れてよいです.ただレベル感がアンバランスで,全くの初学者だと厳しいかも.先に,意味がわかる線形代数あたりを読んでからのほうが良い気がします.
まずはこの一冊から 意味がわかる線形代数 (BERET SCIENCE)

まずはこの一冊から 意味がわかる線形代数 (BERET SCIENCE)

科学と証拠

科学と証拠-統計の哲学 入門-

科学と証拠-統計の哲学 入門-

統計哲学の入門書,といったところでしょうか.統計ってそもそもが,いろいろとややこしい考え方を前提としている部分があって,そのあたりの問題点や考え方の違いなんかを比較してまとめている本です.まぁ好きな人には良いかなぁという感じの本だと思います.

手を動かしながら学ぶ ビジネスに活かすデータマイニング

手を動かしながら学ぶ ビジネスに活かすデータマイニング

手を動かしながら学ぶ ビジネスに活かすデータマイニング

そもそも私自身は対象読者ではないと思うんですが,初級者を抜けた人が読むのに良い本だなぁという感想です.そういう意味でターゲットがニッチな感じはします.

ビジネス活用で学ぶデータサイエンス入門

ビジネス活用事例で学ぶ データサイエンス入門

ビジネス活用事例で学ぶ データサイエンス入門

ストーリーとしては良いと思うんですが,Rコードについての説明が非常に少なく,本自体が分析の初心者向けなのに,R本としては全く期待できないのが辛い本だと思います.

エンジニアのための データ可視化[実践]入門

エンジニアのための データ可視化[実践]入門 ~D3.jsによるWebの可視化 (Software Design plus)

エンジニアのための データ可視化[実践]入門 ~D3.jsによるWebの可視化 (Software Design plus)

D3.jsの本ではなく,あんちべさんの可視化お作法講義がまとまっている本です.企画さんに読んでもらいたい一冊.

データ分析支えるスマホゲーム開発

データ分析が支えるスマホゲーム開発 ~ユーザー動向から見えてくるアプリケーションの姿~

データ分析が支えるスマホゲーム開発 ~ユーザー動向から見えてくるアプリケーションの姿~

具体的なシステム構築の事例が割と参考になります.こういうのを本にして外に出していくスタンスは非常に良いなーと思います.

実践機械学習システム

実践 機械学習システム

実践 機械学習システム

とりあえず手を動かしましょう,というスタンスの本で,最近やったマンションポエムの自然言語処理あたりでも結構参考にしました.ただ中身が結構散漫で,興味のあること,やってみたいことがある場合に,この本の内容が参考になるのであればその章だけ読む,というスタンスが良い本かなーと思います.

データサイエンス講義

データサイエンス講義

データサイエンス講義

サーっと目を通しただけですが,結構ずっしり書いてある本な気がします.下の本と割と被っている印象です.

戦略的データサイエンス入門

戦略的データサイエンス入門 ―ビジネスに活かすコンセプトとテクニック

戦略的データサイエンス入門 ―ビジネスに活かすコンセプトとテクニック

上の本と結構被っている印象です.と思ったら訳者が結構被ってますね...

日本語入力を支える技術

日本語入力を支える技術 ?変わり続けるコンピュータと言葉の世界 (WEB+DB PRESS plus)

日本語入力を支える技術 ?変わり続けるコンピュータと言葉の世界 (WEB+DB PRESS plus)

安定の技術評論社のシリーズですが,この本は結構レベル感がアンバランスで,割と読者に求める要件がシビアというか,自然言語処理機械学習もプログラミングもそこそこの事前知識がないと,読むのが結構辛いんじゃないかなぁと思います.上記の基準をクリアできていたら,それでもわかりやすく書かれた良書だと思うんですが...

現代思想2014年6月号

現代思想 2014年6月号 特集=ポスト・ビッグデータと統計学の時代

現代思想 2014年6月号 特集=ポスト・ビッグデータと統計学の時代

著者による当たりと外れの差が大きい特集号でした.ザーッと一読してみると,いろいろなスタンスや考え方があって面白いなぁとは思います.

ベイズ統計の理論と方法

ベイズ統計の理論と方法

ベイズ統計の理論と方法

買ったはいいものの,難しくて積ん読化してます.

ソフトウェア開発

ZooKeeperによる分散システム管理

ZooKeeperによる分散システム管理

ZooKeeperによる分散システム管理

お仕事で分散システムをよく使うわけですが,だいたい裏でZooKeeperが動いていて,実は中身を知らなかったわけです.分散処理制御の基本概念がとてもコンパクトにまとまっていて良いです.

Hadoopオペレーション

Hadoopオペレーション ―システム運用管理ガイド

Hadoopオペレーション ―システム運用管理ガイド

読み直してみて,非常に細かくいろんなエッセンスが詰まってるなぁと,改めて思いました.

サーバ/インフラエンジニア養成読本 ログ収集〜可視化編

fluentd/Kibana/ElasticSearchなど最近はやりのログ・可視化系の技術についてまとめられていてお得だと思います.

体系的に学ぶ 安全なWebアプリケーションの作り方

定番の徳丸本です.今更ですが読みました.

教養としてのコンピュータ・サイエンス

私自身,計算機科学を大学で専攻していたわけではないので,結構基礎的な事柄に抜けが多いのですね.この本は入門書なので当たり前かもしれませんが,かなり平易に書かれていて高校生でも十分に理解できる内容になっています.それでいて基本的なエッセンスは書かれているので良書だと思います.

ふつうのLinuxプログラミング

上記と同じで,Linuxの基本的な概念をちゃんと理解しなおそうと思って読みました.丁寧にわかりやすく書かれていて,ほどほどのプログラミング経験がある人なら難なく読みこなせ,かつLinuxの思想や仕組みを把握しやすくなると思います.

アンダースタンディング・コンピュテーション

コンパイラ構文解析,有限オトーマトン,チューリングマシンなどコンピュータサイエンス的な概念を,一からRubyベースで作って理解するという,基礎から勉強し直すときに役立つ本です.ただ結構筆致が回りくどく,分かりにくい部分も結構あるなぁという印象です.

Web+DB PRESS Vol.82

WEB+DB PRESS Vol.82

WEB+DB PRESS Vol.82

  • 作者: 山口徹,Jxck,佐々木大輔,横路隆,加来純一,山本伶,大平武志,米川健一,坂本登史文,若原祥正,和久田龍,平栗遵宜,伊藤直也,佐藤太一,高橋俊幸,海野弘成,五嶋壮晃,佐藤歩,吉村総一郎,橋本翔,舘野祐一,中島聡,渡邊恵太,はまちや2,竹原,河合宜文,WEB+DB PRESS編集部
  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2014/08/23
  • メディア: 大型本
  • この商品を含むブログ (1件) を見る
APIデザインの特集を読みたかったので.コンパクトによくまとまっていて良いです.

Web+DB PRESS Vol.77

WEB+DB PRESS Vol.77

WEB+DB PRESS Vol.77

  • 作者: 中川勝樹,山内沙瑛,舟崎健治,吉荒祐一,今井雄太,八木橋徹平,安川健太,近藤宇智朗,奥野幹也,天野祐介,賈成カイ,伊藤直也,住川裕岳,北川貴久,菅原一志,後藤秀宣,久森達郎,登尾徳誠,渡邊恵太,中島聡,A-Listers,小俣裕一,はまちや2,川添貴生,石本光司,舘野祐一,沖田邦夫,澤村正樹,卜部昌平,吉藤博記,片山暁雄,平山毅,WEB+DB PRESS編集部
  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2013/10/24
  • メディア: 大型本
  • この商品を含むブログ (3件) を見る
AWSの特集が読みたかったので.一から丁寧に解説されていて良いです.

JavaScriptエンジニア養成読本

下の本を読んでから,こっちを読んで楽で綺麗でよいなぁと思いました.素のJSとか見たくもないです.

パーフェクトJavaScript

パーフェクトJavaScript (PERFECT SERIES 4)

パーフェクトJavaScript (PERFECT SERIES 4)

一時期気が触れてJSの勉強をしようと思って読んでちょっと書いて嫌になりました.

インフラエンジニアの教科書

インフラエンジニアの教科書

インフラエンジニアの教科書

わかりやすいんですが,中身が薄くて,この一冊だけだとかなり足りない印象.

エキスパートPythonプログラミング

エキスパートPythonプログラミング

エキスパートPythonプログラミング

この一年で,だいぶPythonを使うようになったので,文法的なところとか知らないところを抑えるために読みました.

その他

駆け出しマネージャーの成長論

いちおうお仕事だと駆け出しマネージャーなので,こういう本も読みます.中原先生は,ブログを読んでいても語り口が誠実でとても好感を持っています.この本も愛に溢れていて良いです.

現役・三井不動産グループ社員が書いた! やっぱり「ダメマンション」を買ってはいけない

今年は趣味で不動産データの分析をずーっとやってましたので,こういう本も読んだりします.裏側見せます系の本大好きなんですよねー.

おわりに

今年は分析に関する本とか読んでない気がします.来年はちゃんと論文読むか,もう少し違う分野のデータ関連本*2を読むか,とかをしようかなと思っていたりします.あと,そもそも本よりもWeb上の文献を参考にしている量のほうが多いと思うし,いい加減本のレビューをまとめをするのも結構意味が薄いなぁと思い始めているたりもします.

*1:私自身はこの本は未読ですが,マイケル・ルイスだと世紀の空売りとかライアーズ・ポーカーあたりが滅茶苦茶スリリングで面白かったです.

*2:医療統計とか,経済系とか,異分野の手法を知っておいたほうがいい気がしている今日この頃です.