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統計学・機械学習でよく使われる数学記号リスト(主に自分用)

統計学とか機械学習周りの本を読んでいると,何の説明もなくややこしい数学記号が出てきて,そういえばこれはなんだっただろう? と途方に暮れてしまうことが少なくないので,自分用にまとめなおしてみました,というのが今回のエントリ.あくまで自分用なので,全部の数学記号を扱ってるわけではありません*1

代数学

記号 意味 用例 用例の意味 備考
\sum 総和 \sum_{i=1}^n x_i x_{1}+x_{2}+...+x_{n} 要するに足し算
\prod 総乗 \prod_{i=1}^n x_i x_{1} \times x_{2} \times ... \times x_{n} 要するにかけ算
\delta_{ij} クロネッカーのデルタ \delta_{ij} = \left\{\begin{array}{ll} 1 & \mbox{ if } i = j \\ 0 & \mbox{ otherwise } \end{array} \right. i=jなら1,それ以外なら0 要するにブーリアン条件
\nabla ナブラ \nabla=\frac{\partial}{\partial x}i+\frac{\partial}{\partial y}j+\frac{\partial}{\partial z}k*2 3次元ベクトルの微分 要するに各要素の微分
\Delta ラプラシアン \Delta=\frac{\partial^2}{\partial x^2}+\frac{\partial^2}{\partial y^2}+\frac{\partial^2}{\partial z^2} 3次元ベクトルの2階微分 要するに各要素の2階微分
\inf 下限 \inf_{x>0}\frac{1}{x} x=\inftyのとき与式は0になる \minとの違いは,\minは当該値を含む必要があるが,\infはないこと
\sup 上限 \maxとの違いは,\maxは当該値を含む必要があるが,\supはないこと
\rm{argmax} 関数値が最大となるような定義域の元の集合 \rm{argmax}f(x) f(x)を最大にするようなx x\rm{argmax}の下にくる場合もある
\rm{argmin} 関数値が最小となるような定義域の元の集合 \rm{argmin}f(x) f(x)を最小にするようなx x\rm{argmax}の下にくる場合もある

線形代数

記号 意味 用例 用例の意味 備考
\parallel x \parallel ノルム \parallel (3, 4)\parallel  \sqrt{3^2+4^2} 要するに長さor距離で,例は2次元距離ということ
f:.\Rightarrow. 写像 f:x\Rightarrow y xからyへの対応付け 要するにy=f(x)
f \circ g 合成写像 f \circ g f(g(x))
 (.,.) 内積 x=\left( 3\\4 \right),y=\left(2\\5 \right)のときの(x,y) 3 \times 2 + 2 \times 5 = 16 要するに要素のかけ算
\mathrm{det}\\\mid.\mid 行列式 X=\left(1,2\\3,7 \right)のとき\mathrm{det}X または\mid X \mid 1\times7-2\times3=1 行列の体積のようなもの
\mathrm{rank} ランク rank \left(1,2\\3,6 \right) (1,2)(3,6)は一次従属なのでrank 1 行列における独立した行or列の個数のこと

幾何学

記号 意味 用例 用例の意味 備考
\equiv 合同 x \equiv y xとyは合同
\sim 相似 x \sim y xとyは相似
\perp 垂直 \vec{x} \perp \vec{y} xとyは垂直に交わる

順序構造

記号 意味 用例 用例の意味 備考
[.,.] 閉区間*3 [3, 5] 3\leq x \leq 5 端を含む
(.,.) 開区間 (3, 5) 3 < x < 5 端を含まない
\sim, \simeq, \approx ほぼ等しい x \approx 3 だいたい3に等しい
\propto 比例 x \propto y xはyに比例する \simを使う場合もある

論理演算子

記号 意味 用例 用例の意味 備考
\wedge 論理和 A \wedge B AかつB 要するにand
\vee 論理積 A \vee B AまたはB 要するにor
\neg 否定 \neg(x \in \mathbb{N}) xは自然数ではない*4 要するにnot
\Rightarrow, \rightarrow 論理包含/条件文 A \Rightarrow B\\A \rightarrow B AならばB 厳密には論理包含のほうが条件文より「断言」のニュアンスが強いらしい
\Leftrightarrow, \leftrightarrow 同値 A \Leftrightarrow B\\A \leftrightarrow B AとBは同値である 要するに=
\exists 存在記号 \exists x(x<0) 0より小さい(という性質を持つ)xが存在する Existの頭文字をひっくり返した記号
\forall 全称記号 \forall x(x<0) すべてのxは0より小さい(という性質を持つ) for Allの頭文字をひっくり返した記号

集合および集合演算子

記号 意味 用例 用例の意味 備考
\subseteq 部分集合 \mathbb{R} \subseteq \mathbb{R} 実数は実数の部分集合である 左右の項が等しくてもOK
\subset 真部分集合 \mathbb{N} \subset \mathbb{R} 自然数は実数の真部分集合である 左右の項が等しいのはNG*5
.^c, \bar{.} 補集合 X^cまたは\bar{X} 全体集合をUとした場合のU-X 要するに集合のnot
\cap 積集合 A \cap B AかつB 要するに集合のand
\cup 和集合 A \cup B AまたはB 要するに集合のor
\in 含まれる 7\in \mathbb{N} 7は自然数に含まれる

数の集合

記号 意味 備考
\mathbb{R} 実数 Real numberの頭文字
\mathbb{Q} 有理数 英語で商を意味するQuotientの頭文字
\mathbb{Z} 整数 ドイツ語で数を意味するZahlenの頭文字
\mathbb{N} 自然数 Natural numberの頭文字
\emptyset 空集合 要するに0

*1:詳細な数学記号表は,Wikipediaの数学記号の表でもみていただければと思います

*2:ブコメ指摘を受けて,単位ベクトル加えました

*3:hoxo_mさんの指摘通り,開区間と閉区間逆になってたので修正しました

*4:こちらの指摘を元に例を修正しました

*5:こちらの指摘によると,実際にはこれで部分集合を表してしまうことも多いみたいです